2019年9月1日日曜日

倉敷ウイスキーフォーラム KURASHIKI WHISKEY FORUM 2019

近場だし、久しぶりにウイスキーのイベントに行って見ようかなと思いついたのがほんの一週間ほど前。このタイミングだとセミナー空きあるかなあと思ったけれど、ニッカウヰスキーのコマがまだいけるみたいです。佐久間チーフブレンダーのセミナー、ニューポットの解説とのことなのでどうかなあ、まあせっかく行くんだしぽちっと。

しのつく雨の中、倉敷駅からてくてくと。半分くらいはアーケードの下を歩けるので助かります。開場30分ほど前に到着、宣誓書にサインしてチケットチェックしてもらって手首にバンド巻いてもらって入場列に並びます。列横にもブースが。あら、ウイスキー文化研究所のブース、土屋御大が詰めてるのね。

を、開場直前にバグパイプの演奏が。天井の低い屋内なので良く響きます。演奏者はお一人なのか。まあ東京や大阪でのイベントに較べると規模は小さいですし。

定刻の11時に入場開始。さて、セミナーは1130からですのであんまり時間はないのですが、2-3のブースは回ってみたいかな。どこに何があったっけ。お、KAVALANのラインナップを並べてる。無料試飲が3種とあとは有料か。さて何を飲んでみましょうか。いや飲んだことがあるのがほとんどなので、どれが飲んでなかったっけ。頂極指揮、ってConcert masterか?あれ、でも通常のボトルと違うな。King Car Conductorですか。一杯500円で頂いてみましょう。いかにもKAVALANなフルーティさ。あーでもそれをベースに色々複雑な味わい。


早めにセミナー会場に入って、それでも最前列は既にいっぱいですね。2列目に席を確保。タイトルは「ニッカならではのニューメイクのつくり分け」。並んでいる試飲のグラスは、「宮城峡ノンピートエステリー」「宮城峡ライトピートモルティ」「余市ライトピート」「余市ヘビーピート」「シングルモルト宮城峡」「シングルモルト余市」。最初の4つはほぼ無色、これがニューポットですね。最後の二つは多分比較用の市販品か。

さて定刻に佐久間チーフブレンダー登場です。まずは余市と宮城峡の蒸留所の解説から。

余市は山に囲まれ海と側に面した立地。石炭直火焚きで短いラインアームを持つポットスチルは強い原酒を生む。年に一回、釜の周りの煙道を掃除するそうですが、狭いけれど真っ暗なので中にいると方向感覚を失ってしまうそうです。佐久間さんも釜焚きとか煙道の掃除とかやったことがあるそうで。

宮城峡は森の中、小高い山に囲まれてスペイサイドに近い印象。霧が立ちこめやすい湿度の高い立地。バルジのある上を向いたラインアームは還流が多く、重い成分はあまり出てこない、エステルのみ出やすいと。

原料、糖化、発酵、蒸留、貯蔵、五つの行程全ての要因がウイスキーのつくり分けに影響すると。どこのモルトスターを使うか(ピートのレベル)、土地に固有の水、600種類に及ぶ酵母、加熱温度、時間、etc。直火の余市はポットの底が焦げてしまうことを防ぐために中で鎖を回すそうです。冷却用のコンデンサは余市はワームタブと言う回す形状、宮城峡はシェル&チューブで縦に何本も通していると。

さて試飲のお時間です。まずは宮城峡、ノンピートエステリー。ああエステリーってこれか。華やかさ、北のフルーツ、ふわっときれいな甘やかさ。

同じく宮城峡ライトピートモルティ。甘味と言っても麦のそれは少し濃いのか。果実っぽさも熟した味わい。少しピート。

余市ライトピート。宮城峡に較べるとより香ばしい。麦っぽく、コクがある。

余市ヘビーピート。これが余市だよな。麦っぽさ、ピート、煙い。

こう言った原酒を造り分けて、熟成する樽の種類を使い分けて、貯蔵庫の位置によっても熟成の影響は変わる。数千種類に及ぶ原酒を使い分けて製品が生まれる。

シングルモルト宮城峡。シェリー由来の甘やかさ、ドライフルーツの甘み、、なめらかさ、ほのかにビター。

シングルモルト余市。樽の香味、豊かな果実、きっちりピート、麦芽の香ばしさ。

ここでサプライズ試飲。余市Limited Edition2020と宮城峡Limited Edition2020。どちらもまだ処方の始め。前者は10種の原酒をブレンド。76年のシェリー樽ライトピート原酒から11年のリメイド樽ヘビーピート原酒まで、4%から40%の配合。敢えてシェリー樽を多めに。マンゴーっぽいフルーティさ、華やかで甘い、コクはビターチョコレートのそれ。ピート感も充分。

後者は82年シェリー樽原酒から13年デチャーリチャー樽原酒、いずれもライトピートを9種。5%から30%を配合。熟した林檎のフルーティーさ、麦の香ばしさ、ホットケーキとレモンティー。

若い原酒を使いつつ深い味わいを醸し出すブレンドの妙であると。いずれも最終配合ではないし、製品化も必ずしも決定されてない?

今後も政孝の理想としたウイスキーづくりを目指します、と言う事で〆。

皆さん中々会場から退出されませんね。私も檀上のチーフブレンダーに一言お礼と、少しだけ質問。ブレンドの素晴らしさは確かに分かる、分かるけれど敢えて長熟ものの商品化は…? うむ、やっぱり当分無さそうですねえと言うことで。無念。ストックは大事にちびちびと味わうことに致しましょう。

フードコートでパスタ頂いたり(見た目と使い捨ての器にだまされてはいけない、かなり本格的な美味さ)、あとの試飲はGLENLIVET NADURRA とか、MORTLACH20年とか、WOODFORD RESERVEとか。



結構ヘベレケになったところで撤収。

2019年8月23日金曜日

指揮官の決断 満州とアッツの将軍 樋口季一郎

キスカ撤退の指揮官」からの流れで。
木村昌福少将が率いたキスカからの撤退作戦、そこへの海軍の協力を取り付けたのが樋口中将。アッツの玉砕を見守るしかなかったことへの引き換えとして。

オトポールでのユダヤ人救出、アッツとキスカ、そして占守島の戦いと、決して広く知られてはいないけれど、歴史上重要なポイントで大きな役割を果たした人物。

その場面でなぜそんな決断を下せたのか。自分なりに考えてみたい。

2019年7月11日木曜日

キスカ撤退の指揮官

ほめられることの少ない旧日本海軍に、このような指揮官がいたのかと。

木村昌福の言うの言う指揮官としての三つの条件。

  • ただ無理矢理突っ込むのは匹夫の勇。敵を知り己を知ることによって初めて真の戦が出来る。
  • 「危険なことはおれがやる」という部下を思う至情と、指揮官先頭の気迫と責任感が必要だ。
  • 部下が迷ったときには指揮官として何らかの指示を与え、自分の立場、自分の責任を明確にすべきだ。
或いは、死の直前の随想に曰く。
人の上に立ってものをするとき、部下の者に仕事の一部を任した場合、どちらでもよい事はその人の考え通りやらせておくべし。そのかわり、ここはこうしなければ悪くなるとか、ここで自分が取らなければ、その人に責任がかかるという時には猶予なく自分でとること、人の長たる者心すべき大事なことの一つなり
上司としては最善の価値観であるのではないだろうか。

「わしは責任取らんからな。」と言ってのける今の直属上司の事を思うと暗澹たる気持ちになるけれど、せめて自分のもとにいるメンバーに対してはこのような心持ちで当たりたい。

2019年6月29日土曜日

米中もし戦わば 戦争の地政学

中国は、国力の増加に応じて自身の力の及ぶ領域を広げて行く、ってのは桜井よしこ氏の著書でも読んだ通り。ピーター・ナヴァロ氏も同様の考えのようで。

米国がこれまで通りのの中途半端な対応を続けていればいずれは中国に対処出来なくなる。アジアの同盟国をないがしろにすれば、それらは米国への信頼を失い、中国にするよるか独自に対抗力をつけるため核配備に手を出しかねない。

そうならないためには中国に対する断固とした態度が必要である、と。

この本が書かれたのは3年前。その後誕生したトランプ大統領は、一部においてナヴァロ氏の提言する方針を取っているようにも見える。さて、世界はどうなるのか。

2019年6月9日日曜日

八九六四

天安門に関わった人たちへの現在のインタビュー集。転向した人、後から熱く燃える人、淡々としかし深く灯をともし続ける人。

白眉は王丹。もはや名前を利用されるだけに近い存在になりつつも、その任を背負い続けることを自分に課した存在。その結果が台湾に流れ、野ユリ学運とヒマワリ学運として結実したのか、と。

2019年4月13日土曜日

ニッカウヰスキー 余市蒸溜所

札幌市内からですとざっと2時間ほどかかります。9時に宿を出て、小樽からはJRだと待ち時間が長いのでバスで移動。11時に余市駅前到着。まずはお昼ご飯、ここは駅前の柿崎商店へ。2階の食堂、流石にこの井時間ですとまださほどの混雑ではありません。受付で注文と支払いを済ませます。塩水白ウニ丼と、鉄砲汁を頼みます。ウニ丼は時価ですが、ここで食べるなら間違いはない。

食券を持って、さて空席は何処に。大きめテーブルで相席をさせてもらいます。待ち時間しばし、まずは丼から先に届きます。白いご飯にたっぷり乗ったウニ。鉄砲汁を待たずにいただきましょう。あー、ウニの下に敷かれた海苔も香ばしくていいわあ。何より甘くてミョウバンの匂いと無縁のウニの旨味よ。素晴らしい。少し遅れて出てきた鉄砲汁も、これでもかとカニ足が放り込まれています。カニ用フォークが付いてきてますが、箸で取った方が食べやすいのよね私の場合。うまうま。


お腹が満足したところで、蒸溜所へ移動。

受付で自由見学を申請しててくてく中へ。

乾燥棟はかつて使われていた北海道産の泥炭、ピートを展示しています。今は輸入したものを使っていると。

蒸留棟へ行ってみますと、一番手前の蒸留機に火が入ってる!しかも釜の口を開けて石炭放り込む作業中!びっくりした、これは見るの初めてです。蒸留は春と秋に一括して行い、シーズン中は土日も関係ないとか。赤く燃える石炭の火力が原酒を蒸留する様はなかなかに熱いものがあります。文字通り暑い。


混和棟、粉砕・糖化棟、発酵棟、旧事務所などをぶらぶら見ながら。
これは糖化槽。

樽はニッカの関連会社で作ってるそうです。

リタハウスも外観だけ見学。


竹鶴正孝像、銅像を作られるって本人は果たして嬉しかったのかどうか。

旧竹鶴邸は、玄関から一間のみ公開。欄間にはめ込まれた色とりどりのステンドグラスが綺麗です。


一号貯蔵庫では実際に原酒が保存されている樽を見ることができます。


その向かいにあるウイスキー博物館、展示物もさることながら有料試飲コーナーがとてもありがたい。ここでしか飲めない蒸留所限定のウイスキーや、限定発売されてとても一般では手に入らないボトルから飲ませてもらえたり。見学コースはまだ先がありますが、とりあえずシングルカスク余市10年を頂いてしまいます。

以前はもっと多種類のシングルカスクを提供していましたが、最近はなかなか難しいみたいです。市販のレギュラーラインナップに長熟ものがそもそも減ってますし。先日ザ・ニッカ12年が終売になったし、エイジドボトルで手に入る可能性があるのは竹鶴くらいのものでしょうか。有料試飲コーナーの方に聞いてみましたが、今後エイジドが発売される可能性も低いようです。

見学コースの先は、無料試飲コーナー。試飲の前に、申し込みカードに記入。

アップルワインとスーパーニッカ、それに余市シングルモルト。アップルワインは甘く飲みやすいカクテルのようなお酒。スーパーニッカは言わずと知れた高コストパフォーマンスの一本。余市はノンエイジドの余市シングルモルト。いずれも悪い酒ではありませんがしまった、先にシングルカスクを飲んでるとどうしてもインパクトが弱い。いや分かっててやりました。

売店では職場にお土産のチョコレートと、蒸留所限定発売のボトルを一本ずつ。ウイスキーは持って帰るのがしんどいので発送依頼をかけてしまいます。

さて有料試飲コーナーに戻って、もう一杯くらい飲もうかなとなるとこれしかないでしょう。ここで飲まないと、多分二度と機会はない。シングルモルト余市リミテッドエディション2019。
「1960年代、70年代、80年代、90年代、00年代の各年代(5ディケイズ)の原酒をブレンダーが厳選しヴァッティング」
長熟ものだけで構成されたシングルモルト、たまりませんなあ。最初に強いスモーキィさとピート。ところがきつさはなくて柔らかい。あー、甘みもふくらむ。後味も広く深く。いいなあこれは。ボトルはあってもとても手が出ないお値段ですが。

うむ、満足したところで撤収しましょう。札幌まで戻ってすでに夕刻。今回の北海道最大の目的は果たしたました。

2019年4月12日金曜日

サッポロビール北海道工場

JALマイルが期限が切れそうで、しかし国内特典航空券にちょっと足りないよなあと思ってたら。ディスカウントセールでちょうど使い切れるキャンペーンを実施してくれるのですねありがとう日航。と言う訳で特にあてはないけれど北海道行きを決定。

引越しやら隣人騒動のバタバタもあってろくに下調べもしてなかったのですが、サッポロビールの工場見学は事前予約が必要なのねでは前日に直接電話で。15時からのツアーは人が多いとのことでしたので、最終16時からお願いしました。

撮影メインの遠征でないと荷物は少ないなあと実感。2泊3日の行程ですがディパックだけで済んでしまいます。預け入れがないので新千歳空港でもすぐ出られるのですが、ここからだとサッポロビールの北海道工場は意外と近い。空港で昼食をとって、ぼちぼち時間をつぶしてみますか。雪ミクの展示とか見たり、カフェでコーヒー飲んでみたり。

さて15時過ぎてJR乗車。最寄りの駅からバス乗り場まで移動、カメラ以外の荷物をコインロッカーに入れて、シャトルバス乗車。さすが北海道まだ雪が残ってます。見学コース入り口のホールでしばし待機。


その後、時間になって見学開始です。
2階へ上るエスカレーターの天井。

大麦をストックする倉庫、高さ25mが25本でしたか。これを3日で使い切るそうです。


ホップのサンプルも見せてもらいました。そうですねこの青くさい匂い。大麦は二条大麦を使用、約50本で缶ビール一本分だそうです。

仕込み釜、仕込み槽、濾過槽って合わせて6基並んでますが外観はほぼ同じなのですね。


煮沸釜でホップを投入して煮込み、そこから発酵させて一週間で若ビールになると。さらに熟成タンクで一ヶ月。酵母を濾過してビールの完成。

そこから瓶詰、或いは缶詰。ここからの行程は撮影禁止です。

缶は24本をいっぺんに箱に詰めて梱包。ライン上で箱に左右から印字するので、くるくるとベルトの上で回されています。ライン上でX線検査、ちゃんと24本入っているか、傷や凹みがないかをチェックされています。

次が缶への充填行程。洗浄された缶が円状のラインでビールを詰められます。毎分900本作られるって結構な速さですのね。充填機は一台こっきりしかないのでメンテナンスは大事。

缶ウォーマー、って何してるのかと思ったらそのまんま、ビールを入れる前に温めるんですって。冷えてると結露しちゃうから、常温にしてからビールを詰めるそうな。なるほどね。

次いで瓶ビールのライン。瓶はリターナブルなので、回収されたらまず洗浄。40分ほどかけるそうです。きれいになった瓶を検査して、使えるもののみ瓶詰工程へ。個体によっては8年くらい使われるものもあるそうです。こちらの充填は毎分500本。叩いて泡を吹かせてから栓をすると。こうすることで酸素を入れずに密封できるそうです。なるほど缶より瓶の方が美味いわけだ。

で再度検査してラベルを貼って専用の赤いケースへ納める。ちなみに検査行程は機械的なチェックとは別に目視検査もあるそうです。反対側から光を当てて、毎分220本。結構過酷なお仕事ですのね。20分交代だそうです。そして自動トロッコで倉庫へ送られて、出荷は低温輸送車で。確かに温度管理されたビールはそうでないものより美味しいです。

さてお待ちかね、試飲のお時間。黒ラベルとクラシックを一杯ずついただきます。前者は飲みやすく、副材料として米とコーンが使われています。後者はよりビールらしく、ホップと麦と水のみで作られると。個人的にはクラシックの方が好みですね。

缶ビールはグラスに注いだ方が美味しく飲めると、三度注ぎを教えていただきました。グラスは綺麗に、最初は大胆に泡を作って八分目まで、泡が落ち着いたらグラスの縁まで少しゆっくり、最後に泡を盛り上げるくらいこんもりと。最初に粗い泡を作ることで炭酸を抜いて柔らかい味わいに、きめの細やかな泡で蓋をすることでそれ以上炭酸が抜けることを防いで最後まで美味しく飲めるように。

うむ、昔キリンのビール工場で教えてもらったこととほぼ一緒。ある意味ゴールデンルールなんでしょうね。この注ぎ方を実施してもらったクラシックの春限定の一杯も頂いてしまいました。なるほど、ホップの香りの強いこの季節らしい味わい。

いやしかし決して長くない試飲時間で3杯はきついぞな。流石に飲みきれず残してしまったのは無念な限り。

出口に向かう廊下、なんか照明が暗いなと思ったら、天井に星空の装飾。

札幌市内に移動してお宿にチェックイン。近くの焼肉屋で夕飯にして、明日の備えましょう。