2013年7月7日日曜日

ウイスキー・フェスティバル 2013 大阪

梅田スカイビル10F、アウラホールにて開催された今年のウイスキー・フェスティバル。土屋守氏による、台湾の新興ウイスキー、カバランについてのセミナーも実施されます。私が初めてKAVALANを飲んだのは2010年6月。台湾CCKの基地開放の帰り、空港免税店で試飲して気に入って一本購入。
その時の感想。「甘くて飲みやすい。 フルーティ、チェリー、ハチミツ、チョコレート。 5000円程度のシングルモルトとしては、充分な出来だと思う。 複雑さは無く、後味もすっきり。 その辺り、暖かい国で熟成されたがためか。」

大阪駅からスカイビルまで徒歩10分ほど。昔、この辺りは年に数回来ていたけれど久しぶりに訪れると結構様変わりしている。少しのんびり出たので、開場待ちには並ばず。前売り券を渡して腕輪とパンフをもらう。セミナーの時刻まで30分ほどあるけれど、椅子席は既に満席の模様。立ち見でも良いか。会場内のブースですじ肉のカレーと、梅酒のかき氷を購入。期待はしていなかったけれど、流石大阪。カレーも美味い。

セミナー会場の後ろの方で柱にもたれて待っていると、開始10分ほど前にスタッフの人が倉庫から追加の椅子を2脚ほど出してくるのに遭遇。確認して座る事が出来たのは僥倖。何しろ座った人だけ試飲があるので。

セミナーが始まって配られた試飲の一杯目は、シングルモルト「コンダクター」。8種類の樽をバッティング。スコッチ12年に匹敵するリッチで複雑なアロマ。カバラン特有の、濃いめのフルーティさ。

カバランは、Mr.Brownの缶コーヒーで有名な金車(King Car)が作るウイスキー。社員3800人、宜蘭県に本社を置く。雪山山脈の麓に位置し、良質な伏流水を原水とする。日本が今や世界五大ウイスキーに数えられるようになったのだから、台湾で作れないはずがないと考えて始められた。KAVALANの命名は台湾の先住民族の名に由来する。

ウイスキーの熟成には低い気温が必要と言うのが定説。亜熱帯の台湾ではあっという間に蒸発すると思われたが、温度と湿度の管理を自動化する事で克服した。スコットランドからコンサルタントのジム・サーンを招聘して2005年に蒸留所を作り上げ、2006年3月11日に蒸留を始める。現在ポットスティルを作れるのはスコットランドのフォーサイスのみ。ここに依頼したスティルを設置。発酵槽はステンレス。ここで作られたシングルモルトは驚くべき味わいで、若いスコッチのブラインドテストに出すとトップの高得点を得てしまった。2009年のIWSCでも銀賞を受賞。

本格的な蒸留所で、年間100万人の観光客が訪れる。

カバランの独自性は幾つかの理由による。仕込み水は年間を通じて16℃の湧水。フルーティなアロマは台湾の野生酵母に由来。アンカー社(南アフリカ)のドライイーストとミックスして使用。

エンジェル・シェアは、アイラやスコットランドでは気温の年較差が少ないため年1%程度。大陸性気候のケンタッキーでは夏30℃、冬氷点下20℃の環境で年10%のエンジェルシェアとなる。台湾では年10-15%が天使の取り分となる。それ故短期間で熟成する強い原酒が必要。5-6年でスコッチの15年に匹敵するウイスキーが生まれる。

現在2系統のラインを有する。一系統は1パッチ4トン、21000ℓ、69%のニューポットを生産。もう一系統はドイツ製のポットスティルを使い、一機で40000リットルを製産。連続蒸留している。

二杯目の試飲はシングルカスク、「ソリスト」。バーボンカスクを使用。バニラ、渋さ、深み。バージンオークを思わせるバランスは危ういが、濃厚な味わい。

土屋氏の一押しはシェリー樽、ピノカスク。ピノは熟成に時間がかかり、スコッチでは30年と言った途方もない長熟が必要。カバランは熟成が早いので合っている。ただし5年物に1万数千円の価格は買うのに度胸が必要。

シェリーコンペが今年の6月に初めてアジアで開催された。35人のジャッジの一人として土屋氏も参加。510のスピリッツが審査された。ウイスキーではカバランのソリストがトップ。台湾は今やアジア最大のウイスキー市場となった。この時、高雄市でジャパニーズウイスキーについて講演。日本語は完璧だがウイスキーについて知らない大学の先生と、日本語は今一つだがウイスキーに詳しい人の二人して通訳に当たってもらった。質問に出たのは何故日本では水楢の樽を使うのかと言うかなり専門的な突っ込み。

戦中、樽にオーク材が手に入らなかったためこれに近い材質の物として水楢が用いられた。戦後は忘れられたが、90年代に再度注目されるようになり、シングルモルトブームに乗って脚光を浴びるようになった。白檀や伽羅のような微妙な香り。果たして欧米人に理解出来るのか?

最近はインドでも蒸留所が作られた。標高1000mの高所。しかしエンジェルシェアが多いとバランスが難しい。

セミナーの内容はざっとこんなところ。

その後は会場をうろうろしながら、無料有料取り混ぜて各種試飲。マルスの3+25はパワフルな味わい。定番のブレンデッドもやっぱり美味い。ゴールデンカスクはリトルミル90とブナハーブン90。どちらも良いけど、スパイシーな前者よりフルーティな後者がどちらかと言えば好み。バーボンは相性が良くなかったけれど、ノアーズミルは美味い。バーボンが美味いと思ったのは初めて。

印象的な試飲だけtweetしていたけれど、とても駄目。美味いとしか表現出来ないくらい酔っぱらって、退出。